病児とそのご家族を支える活動をしています

NPO法人イナンクルは、病児とその家族が、どこにいても(入院治療中、退院後社会生活の場)、病気以前の生活と変わらず過ごせるようにと、札幌市内にある難病児が入院する小児病棟とその病棟を退院したお子さんとご家族の退院後のサポートを中心に活動しています。

 



北海道新聞に掲載されました (土, 10 8月 2024)
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北海道新聞朝刊にアンケート結果が掲載されました (Sun, 26 May 2024)
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STV札幌TV「どさんこワイド」で紹介されました (Tue, 07 May 2024)
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子どもの病気・入院〜退院後における家族の生活調査アンケート (Tue, 07 May 2024)
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わたしの娘が白血病とわかったのは、忘れもしない2020年10月22日でした。その日から、娘の病気治療を通して、知らなかった世界を知ることになりました。
集中してスケジュールを組みながら長期入院をするお子さんもいれば、短い入院でも何度も入退院を繰り返し、その子の生涯に渡って病院にお世話になる場合もあります。
わたしたちは、後者も長期入院と同じだと思っています。
言うまでもなく、小児病棟は子どもにとって『生活の場』となります。

病気であっても、子どもたちが普段の生活と変わらずに治療しながら生活できるよう国も医療現場もその体制を整えてきました。そして、その子どもの治療に付き添う家族にとっても同じく『生活の場』になるのですが、残念ながら、医療現場では付き添い家族のことまで配慮されていないのが現状です。

栄養不足、寝不足、ストレス、体調不良、経済的不安、孤独、病児の家族は中でも外でもいろんなことがありますが、この状況でもわたしたちができるサポートを実現していこう!と活動しています。

病院の理解があってこそですが、まずは食事です。手づくりの味、家で食べるような食事を無償でお届けすること。 

支援してくれた人の分も、つくってくれた人の分も、みんなの真心がこもったお弁当やパンを代表してお届けしています。 

無償提供は、みんなからの差し入れ。  

 

手に取ったその一瞬だけでも孤独から解放されてほしいと思っています。

子どもの入院=24時間付き添い

難病児の入院治療は長期にわたります。 その間、家族は病棟に24 時間付き添いを求められることが多いです。

治療を受ける子の心を保ち、生活全般の介助と見守りをすることが必要だからです。

子どもが乳幼児であれば、成長と発達を伴うため、親の存在は必要不可欠でもあります。

病院には付き添い家族の寝食の用意はありません。自分たちでまかないます。

 

きゅうくつな簡易ベッド、カップ麺やインスタントでまかなう三食、そのうえで子の世話をし、子がつらい治療を乗り越えられるよう支えるのが付き添い家族の毎日です。 何か月も、ときには何年にもわたって。

その毎日に、少しでもほっとできるひとときがあったらいいなと思います。

付き添い家族が疲弊せず、健やかでいられるように。孤独に陥らず外の世界とつながりを感じられるように。

長期入院では病院が子育ての場、生活の場。 そして、子どもにとって家族の笑顔はなくてはならないものだから。 付き添い家族の張りつめた心と体が少しでもほっとできる様々なサポートを行っていきます。

 

どうかみなさまのご支援をよろしくお願いいたします。

長期入院の子どもと付き添い家族を支える会byNPO法人イナンクル

代表理事 綿谷 千春



北海道大学病院 小児科教授 真部先生より

応援メッセージ

「イナンクルへの期待」

北海道大学病院 小児科教授 真部淳 

 日本には小児慢性特定疾患(小慢)という制度があります。これは成人でいう難病に相当する病気を患う子どもたちの診療をサポートするもので、現在、788疾病が対象となっていますが、それは 338 ある成人の指定難病より多く、世界的にも子どもに手厚い制度といえます。

 現在、全国で約 10 万人の小児が小慢に登録されています。これは病気の診断、治療、研究に大きな貢献をしていますが、一方で、病気の子どもを取り巻く環境の整備は遅れています。

 特に、長期入院している子どもと家族の生活は過酷で、たとえば、付き添い者のベッドがない、付き添い者の食事が出ない、病気の子どものきょうだいへのサポートが足りない、など様々な問題があります。

 綿谷さんたちのイナンクルの活動はこのような行政の手の届きにくいところをサポートする素晴らしいものです。家族と周囲の人たちの生活の安定があって初めて、難しい病気にかかった子どものケアが進んでいくものであり、イナンクルには大きな期待を持っています。